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【記者コラム】3月GⅡ宇都宮 注目は地元・長島

 地元戦には重圧と恩恵がある。
 取手で5年ぶりのGⅠ開催となった全日本選抜。地元から出場した吉田拓矢、吉沢純平、杉森輝大の3人は二次予選で姿を消した。昨年の競輪祭に続くGⅠ連覇が期待された吉田は初日、二予と内に詰まる形。「連日地元ということもあり視野が狭くなっていた。引けばいいところで踏む位置をなくした」。地元エースはプレッシャーに押しつぶされた。
 競輪の格言に「地元3割増し」がある。舞台は走り慣れたバンク。遠征勢に比べ移動の負担もない。地元番組という言葉があるようにレース番組に多少の優遇もある。そして何より「普段から応援してくれる地元ファンの前で頑張りたい」という気合が3割増しの着火剤になっている。
 しかしながらトップ選手が激突するGⅠにおいては格言通りにはいかない。10年以降で地元GⅠを制したのは後閑信一(引退)、山崎芳仁、渡辺一成、郡司浩平のみ。そもそもホームバンクでの開催が決まらないと地元GⅠを勝つチャンスすら生まれない。開催時期が選手としてのピークなのか晩年なのか。故郷に錦を飾るには巡り合わせや運も左右する。
 次回のビッグレース、宇都宮ウィナーズカップ(3月18~21日)には地元の栃木勢が7人出場予定。その中でも注目したいのが長島大介。昨年後半からの好調の要因は「(ウィナーズCが)宇都宮で決まったのが大きい」。GⅡとはいえ大舞台。体も技も最上級に仕上げて挑む。あとは心。プレッシャーに負けないメンタルを持つことが勝利の女神を振り向かせる重要な条件になる。

 

 ◇小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日生まれ、秋田県出身の38歳。06年スポニチ入社。競輪取材歴は大阪本社で2年、東京本社で約11年、西部総局で2年。全国各地の競輪場でS級、A級、ガールズの選手を取材したのはスポニチ史上初めて。

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